「名前は、何にしようか」 冷たい頬に触れる。その唇は、もはや言葉を紡ぐことを知らない。 ――名前は、何にしようか。この腕に抱く命を、私は何と呼べばいいのだろう。 君が愛し、僕が愛し、そして誰もに愛され、祝福される名前がいい。君は笑うかもしれないけれど、僕は今、とても幸せだと思うから。……でもそれは、君だって同じだろう? 閉じられた瞳は、もう開くことはない。でも、そう、君の蒼い瞳はまだここにある。 「そうだな」 呟く。でも実は、ずっと前から決めていたんだ。 この子に遍く祝福を。僕と同じ、君と同じ、どこまでも美しい祝福を。 ……そうだ。君の名前は―― |